金属が含まれている身近な食べ物について
みなさんは普段、口にされている食べ物にも実は金属が含まれているってご存じでしょうか。
そして金属アレルギーは、食べ物からも発症してしまう可能性があることをご存じでしょうか。
意外と身近な食べ物にも金属が含まれているというと少し怖い感じがしますが、もちろん金属を食べているのではなく「金属の成分」が含まれている食べ物をご紹介いたします。
金属アレルギーになりやすいと言われている金属の成分の代表的なものはニッケル、コバルト、クロム、水銀、錫(すず)、銅などがあります。
なんとこれら金属成分を多く含んでいる食べ物が…みなさまもよくご存じの「チョコレート」になります。
チョコレートにはニッケル、コバルト、クロム、錫(すず)、銅が入っているのです。
(すごくびっくりで、ちょっとショック…)
他にも日常で飲んでいる緑茶・紅茶・ウーロン茶などのお茶類や、
健康や美容にもいいとされるアーモンド・カシューナッツ・ピーナッツなどのナッツ類、大豆(納豆・きな粉含む)枝豆などの豆類にも、比較的金属成分が多く含まれているようです。
金属の成分が入っている食べ物の例
ニッケルを多く含む食品
穀類 | 米ぬか・玄米・蕎麦・ハト麦・きび |
ナッツ類 | アーモンド・くるみ・カシューナッツ |
豆類 | 大豆・納豆・きな粉・あずき・インゲン豆 |
野菜類 | たけのこ・ほうれん草・かぼちゃ・レタス・キャベツ |
魚介類 | あさり・あわび・うに・鮭・カキ・ニシン |
菓子類 | チョコレート |
飲み物 | ワイン・紅茶・煎茶・抹茶・ココア |
嗜好品 | たばこ |
コバルトを多く含む食品
穀類 | 玄米・米ぬか・ひえ |
魚介類 | ホタテ貝 |
藻類 | 青のり・乾燥ひじき |
菓子類 | チョコレート |
飲み物 | ビール・コーヒー・ココア |
嗜好品 | チョコレート |
クロムを多く含む食品
穀類 | 小麦麦芽・米ぬか |
野菜類 | えごま・じゃがいも・玉ねぎ・枝豆 |
魚介類 | あさり・さば・マイワシ |
藻類 | わかめ・青のり・乾燥ひじき |
乳製品 | チーズ |
菓子類 | チョコレート |
飲み物 | ウーロン茶・紅茶・ココア |
嗜好品 | たばこ |
錫(すず)を多く含む食品
穀類 | 米ぬか・麦みそ |
藻類 | 寒天・昆布 |
菓子類 | チョコレート |
嗜好品 | たばこ |
銅が多く含む食品
ナッツ類・豆類 | きな粉・アーモンド・ピーナッツ・くるみ・枝豆 |
魚介類 | イカ・エビ |
菓子類 | チョコレート |
飲み物 | お茶 |
金属アレルギーだから食べてはいけない食べ物がある?
上の表に書かれている食べ物や飲み物は、どれも普段何気なく口にする食べ物や、美容にも健康にもいいとされる一般的なものになります。
金属アレルギーの疑いのある方や、すでに金属アレルギーをお持ちの方は、金属アレルギーとして反応している金属成分を多くとりすぎてしまうと金属アレルギーを助長してしまうことがあります。
金属アレルギーと聞くとピアスやネックレスなどアクセサリーをつけている部分にかゆみや発疹、赤みなどが出てくるイメージが強いかと思いますが、食べ物や飲み物から取り入れた金属成分が体内をめぐってアクセサリーをつけていない部分に症状が出ることもあります。
一見金属アレルギーとは無関係に思われる、口内炎・口唇炎・口角炎・肌荒れ・繰り返すニキビ・抜け毛などの症状も金属アレルギー症状として報告されているケースもあります。
その他にも花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギーをお持ちの方は、金属アレルギーを合併する例も挙げられています。
体調に異常がでられた場合や、ちょっと心配だなと金属アレルギーを疑う場合には、速やかに医療機関を受診して専門医の判断を仰ぐようにしてください。
食べ物に含まれる金属成分の大切な役割
ここまでを読むと何も食べられないじゃないかと心配になってしまいますが、どの金属成分も体にとっては、必要な栄養素でそれぞれ大切な役割があります。
金属成分は自らの体内で作り出せないため、食事などによって補わなければいけない必須要素になり、きちんと摂取しないと欠乏症となり、病気の原因にもなってしまうのです。
金属成分 | 役割 | 欠乏症状 |
---|---|---|
コバルト | 赤血球やヘモグロビンが生成される際に鉄の吸収を促進する、神経の機能を正常に保つ | 貧血・食欲不振・消化不良・手足のしびれ・集中力や記憶力の低下など |
クロム | 体内で起こる代謝に関わる、インスリン(ホルモン)の働きを助ける | 糖や脂質やタンパク質の代謝異常・成長障害・角膜の病気など |
銅 | タンパク質と結びついて鉄の働きを助ける | 貧血・骨粗しょう症・毛髪の色素が抜ける・白血球が減少する |
※ニッケルは「鉄の吸収を促進する、ビタミンB6とともにタンパク質や資質の代謝を促す」働きがあるが過剰症・欠乏症は確認されていない
https://miki-ph.jp/tabe_info/tabe07/2022/6996
金属アレルギーを理解することが大切
もちろん食べ物のせいで金属アレルギーを発症するかどうかは、個人差がありすべての人に当てはまることではないものの、金属アレルギーは一度発症してしまうと完全に治ることはないと言われています。
基本的には食品に含まれている金属はごく少量ですが、どれも日常口に入れているものや、体にいいとされている食べ物になります。
普段の食事からも金属成分を取り込んでいること、金属アレルギーを発症したことがある方は、食べ物・飲み物からの金属成分にも反応しやすい傾向があることを知っておくことも、とても大切なことになります。
また少しでも体調に異変を感じられた場合は、自己判断で過度な食事制限はされずに速やかに専門の医療機関を受診して専門医にご相談ください。